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マーケティング、営業担当なら知っておきたい、売り上げを伸ばすために役立つデータ分析の基本

自社商品やサービスを販売するときに、なるべく効率よく成約して、最大限の利益と実績を挙げたいと思いますよね。特にこういった部署であれば、ノルマが課される場合も多いので、どうしたら購入してもらえるのか、契約してもらえるのかと頭を抱えている人も多いでしょう。そこでここでは、マーケティング、営業担当なら知っておきたい、売り上げを伸ばすために役立つデータ分析の基本について、紹介していきます。

マーケティングでデータを扱うときに注意したい基礎情報

マーケティングでデータを扱うときに重要なのは、
・BtoB、BtoCといった、事業の形態に関わらず、企業が顧客の行動や商品の特徴などについてのデータを集めること
そして、
・それをマーケティングに活かすこと
となります。

つまり、どのような、何についてのデータを取るのか、さらにその収集したデータは、どのようにしてマーケティングに活かしていくのかを意識しなくてはなりません。

くれぐれも、闇雲に情報をとったはいいけれども、それが生かされないということにならないようにしましょう。情報を得て満足しているだけでは、売上につながりません。

また、データと一口に言っても、収集するデータの種類や量だけでなく、それらの分析手法の切り口も多様に存在します。
なんとなくで分析を始めてしまうと、手間と時間が際限なくかかってしまいますので、そうならないように注意しましょう。

例えるならば、データは素材、データの分析は料理です。料理も、なんのために何の料理を作りたいのかが明確ではないと、せっかくの素材も無駄になってしまうようにデータ分析も、マーケティングの何に生かすために何が必要かを考えて行うことが必要なのです。

データを収集する目的は「仮説」を立てれば見えてくる

データ分析の「目的」を明らかにした上で、どのような情報があればその目的を解決できるのかを考えることが、いかに重要か、お分かりいただけたと思います。

ですが、「どのようにすればその目的は見つかるのか?」「上司からなんとなく“データ集めて“、“分析して“と言われたものの、何をどうしていいのかわからない」といった悩みを持っている人も多いのではないのでしょうか?

実はデータ分析をする人で、意外に陥りがちなのは、「何を目指してデータを取るといいのか見つけるのが難しい」という悩みです。

その打開策になるのが「予想を立てる」というアクションです。仮説を立てることができれば、分析で明らかにすべきことがわかるはずです。

具体的には、次のような例が挙げられます。
たとえば、「次の広告で、売上を伸ばせるような情報を入れたい」という課題があったとします。

そこで、何もデータがないと「お金をかけてきれいな広告を作ればみんな見てくれるかも」といった感覚に陥りがちです。

しかしそこで、仮説を立てます。
「よくこの商品を手に取る層があり、他の商品ではないこの商品を選ぶ理由が何かあるので、そのターゲット層に響くキャッチコピーと付加価値をアピールする広告を出せば、商品は売れるかもしれない」
と言ったものです。そうなるとデータをとる目的は、自ずと

・商品を手に取る人が多い属性を調べる
・商品が選ばれる条件を調べる

になります。

この目的を元にデータを収集すると、「この商品は何歳ぐらいの人が買っているのか」「クーポンやキャンペーンがあるとどのぐらい売上が変わっているのか」「どのような悩みを持った人がこの商品を必要としているのか」と言った情報を選ぶことになると思います。
こうして、具体的に広告には、その年代に刺さる言葉で、その年代の人が嬉しいと思うキャンペーン付きで、キャッチコピーが載ることになり、商品の注目度は上がっていくでしょう。

マーケティングで注目したい基礎的なデータ

仮説を立て、データをとる目的が見えてきたら、いよいよデータをとることになります。
データ分析を行うときによく収集されるデータは次のようなものです。

When(いつ)…時間帯や期間などの条件
・年度、半期、四半期、月、週次、日時、時間帯
・平日か休日か、祝日か、連休か
・広告を出している期間か、そうでないか
・天気、世間のイベント
Where(どこ)…場所、立地、地域、文化などの条件
・エリア、都道府県
・市町村
・支社、店舗の管轄別
・店舗の徒歩圏内、車圏内
・都市部、郊外
・戦略エリア、非戦略エリア
・最寄り駅付近、ランドマーク付近
Who(誰が)…顧客の属性などの条件
・性別、年齢、家族構成、趣味、職業、年収
・会員属性、入会年度、会員年数
・1人で来店するか、複数で来店するか
・自分の買い物をする人か、プレゼント用の買い物をする人か、下見の人か
・購入金額
What(何を)…実際に何が好まれているかなどについての条件
・メーカー、ブランド
・色、香り、味、カロリー、材質、生産地
・売れ筋、お気に入り
・NB/PB
・キャッチコピー、キャンペーン、付加価値、ブランディング
・売上

このほかにも、注目すればするほど、とるべきデータは思いつくはずです。
実際にはこれらの中から、複数の種類を選んで、組み合わせることによって、その複数の条件間の関係性を見たりすることになるのがよくあるパターンです。たとえば、お菓子メーカーを仮定して、単純な例を挙げてみましょう。

あるお菓子メーカーAは、月ごとのお菓子の売り上げを集計したところ、2月と3月にお菓子の売上が多いことがわかりました。

これは、
・When(月次)
の条件を考慮してデータを収集した結果です。

続いて、ここに、男女別という条件を加えて、再度データを細かく吟味してみました。その結果、女性は2月に、男性は3月によくお菓子を買っていることがわかりました。これは、先ほどのWhen(月次)の条件に、Who(性別)の条件を加えたことで明らかになった結果です。

さらに、Whenの条件をさらに細かくして月ごとではなく、週ごとにみてみるなどして、同じWhenの切り口でも、さらに売れ行きの良い時期の当たりをつけてみることにしました。

すると、女性は2月中旬、男性は3月中旬に売り上げが高いことがわかりました。そしてWhat(売れ筋)をみてみると、女性は2月中旬にチョコレートをよく買っていることが分かりました。

ここまでデータを分析したら、ただ闇雲に「2月と3月は売り上げが多いからお菓子をうろう」となるのではなく、「2月のバレンタインに、女性向きのチョコレートの広告を出したらヒットするかもしれない」など、具体的なマーケティング戦略が思いつく可能性も高くなるでしょう。このように、戦略を具体的に立てられることが、データ分析のゴールと言えるでしょう。

まとめ

ここまで、データ分析の基礎をテーマに、マーケティングや営業で注目したいデータのことについて、ごく基礎的な部分を解説してきました。この記事で大事なことをまとめると、次のようなものになります。

・データは、闇雲にとってはいけない
・データには、データをとる目的が必要、そしてデータをとる目的を見つけるためには、仮説は必要
・データにはさまざまな切り口があるので、いくつかを選んだり、組み合わせたりしながら、仮説の検証をしていくことが重要
・得られたデータとその示唆を、実際のマーケティング戦略に、具体的な形で落とし込めてこそ、データ分析をしっかり行ったということができる

データ分析ができると、マーケティングや営業は、センス次第のものではなく、スキルと工夫次第で伸ばしていけるものだと実感できることでしょう。ぜひ、参考にしてみてください。